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2012年 04月 15日
最後のサ・ヨ・ナ・ラ

PEN E-P2 Kern Switar 25mm f1.4
ISO: 200
露出: 1/20 秒
絞り: 4.0

何年ぶりかに以前に付き合ってた彼女と外出先で
バッタリ会った。
打ち合わせ先の会社で来訪者プレートをもらうため、
受付カウンターに行って初めて気が付いたんだ。

いらっしゃいませ。と彼女。
あっ!っとボク。。。
スゴい偶然だった。

取り急ぎ担当者に来訪を告げてもらい、もう約束の
時間まぎわだったこともあり、今度メシでも食おうよ。
言い残し、ボクは打ち合わせの階へ向かうため
エレベータに飛び乗った。

無事に打ち合わせも終わり、その帰り際再び受付に寄
り、少し話して約束の時間を決めた。
あいにくお互い週末は予定が入っていたので、仕事
帰りに霞町の交差点で待ち合わせすることにした。

そして昨日、久しぶりに彼女の笑顔と一緒にメシを
食った。
ヤバイだろこの笑顔、あの頃のまんま。。。
それ以上かもしれない。

今さら離れていた時間を埋めることはできないし、
焼けぼっくいに~…なんて気はさらさらないけれ
ど、元々キレイだった彼女が一段と、いや、その
10倍はキレイになっていたことだけは、ほんの
一秒で理解できた。

その日、ボクも彼女も覚えている限りの付き合って
いた頃の話しをした。

部屋が満室だった土曜日のラブホで、たくさんのカ
ップルと満員御礼の待合室で気まずい思いで待って
たこととか。

ピーカンだった海で急に雨が降り出して来て、一斉
に人が逃げだしてんのに、何故だかボクらは平然と
その場所に居座ってたこととか。
とにかく、その夜は思い出し笑いをいっぱいした。

実はボクは彼女に大失恋をしていたんだ。
サヨナラを告げられた最後の日のことは今でも忘れない。
と言っても「もう、サヨナラしよう」って言われた
だけなんだけど。

今ここでサヨナラの理由やら彼女の言い訳を聞きた
かった気もするけれど、彼女が口に出さない以上、
ボクからも話をすることはなかった。

不思議に彼女はボクの近況を聞いてこないし、ボク
も彼女の現状を聞かなかった。
しばらくぶりに会ったのなら聞きたいはずなのに。
おそらくお互い聞けなかったんだと思う。

聞けば彼女もボクも再度スタートラインに立つ事に
なり、そこから込み上がってくる感情を抑えること
ができないと思うから。

今、どうしてるの?彼女居るの?って聞かれてたら
何と返事しただろうな。
多分、できる限りの笑顔を作って自慢気に答えてたかも。
今はキミに負けないくらいステキな女の子に恋して
いる最中さ。とかなんとか。

「今度はいつ打ち合わせに来るの?」
「来たらまたご飯ご馳走してね!」

って、写真で切り取って一生の宝物にしたいような
笑顔でニコリとする彼女。

でも、多分、もう行くことはないよ。
先日の打ち合わせは担当者変更のための引継ぎでも
あったのだから、もう、ボクがあの会社へ出向くこ
とはない。

それにもうボクらは会わない方がいい気がしてんだ。
ワインを勢いよく飲み干す形のいい唇を眺めながら、
ぼうっとそんな事を考えていた。 。。

デジャブを10倍に濃くしたような楽しい時間がも
うそろそろ終わりを迎える。

今日はボクからサ・ヨ・ナ・ラを言わなくっちゃな。
大好きな彼女の笑顔が、今度はボクの憂鬱さを10倍にする。

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by enthu_crap | 2012-04-15 00:04 | 銀座・有楽町スナップ


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